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【猫の口内炎】食事・症状・治療・サプリについて獣医師が解説2019年11月04日

【猫の口内炎】食事・症状・治療・サプリについて獣医師が解説

 

猫の歯肉口内炎

(最終更新日:2019/11/04)

 

猫の口内炎は”歯肉口内炎”ともよばれ、歯肉や口の中の粘膜部分において炎症・潰瘍を起こしてしまう病気です。

部分的に発症することもありますが、広範囲に口内炎ができることもあります。

口内炎は激しい痛みを伴う病気で重度になると、歯肉や粘膜からの出血を起こし、食事を取る事が困難になります。

口内炎の症状

・流涎(よだれが出る)

・口腔内の潰瘍

・出血

・毛づくろいができない

・毛艶が悪い

・口臭が強くなる

・やわらかい食事を好む

・食欲不振

といった症状が見られます。

重度の口内炎に罹患している猫では、潰瘍や出血を引き起こし、口腔内の痛みを強く感じ、食欲がなくなってしまいます。

また舌を使う際にも痛みを感じますので、毛繕いが困難になり毛艶が悪くなることもあります。

口内炎の原因

中高齢の猫(およそ4~7歳齢)で発症する傾向にありますが、若齢でも口内炎は発症します。

好発猫種

・ペルシャ

・ソマリ

・アメリカン・ショートヘア

・シャム

・アビシニアン

であると報告されています。

 

口内炎の原因は未だ解明されていませんが、おそらくこれが原因ではないかというものは

細菌やウイルス感染症による口内炎

内臓疾患による口内炎

などがあります。

細菌やウイルス感染症による口内炎

細菌では

・バルトネラ

・猫クラミジア

・猫マイコプラズマ

・パスツレラ

 

ウイルスでは

・猫カリシウイルス

・猫ウイルス性鼻気管炎ウイルス(ヘルペスウイルス)

・FIV(ネコエイズ感染症)

・FELV(ネコ白血病)

 

などといった細菌やウイルス感染症が関与している可能性が高いといわれています。

これらのウイルスは宿主(猫)の免疫力を低下させることがあり、口内炎を発症しやすくなります。

 

 

内臓疾患による口内炎

・腎不全

・糖尿病

・副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

・炎症性腸疾患(IBD)

 

などの全身性疾患により体の機能が弱ってしまう事で免疫力が低下し、口内炎を発症しやすくなります。

 

口内炎の治療(薬や抜歯)

口内炎が発症するメカニズムは未だ解明されていないので、様々な角度から治療のアプローチを行なっていきます。

 

内科的な治療としては、

・抗生物質

・鎮痛薬・抗炎症薬

・インターフェロン

・ラクトフェリン

などがあります。

 

抗生物質はジスロマック・クリンダマイシン・ビブラマイシンといった薬を使用します。

 

鎮痛薬・抗炎症薬はステロイドやNSAIDといった薬を使用します。

ステロイドは口内炎に使用する薬の中で最も著効する薬ではありますが、副作用があるので注意して使用する必要があります。

 

インターフェロンは免疫調整効果があるサイトカインのことです。生理食塩水で希釈して、口腔内に投与します。

 

ラクトフェリンは体液に含まれるタンパク質のことで様々な効果があります。

ラクトフェリンの効果は抗細菌・ウイルス効果、抗炎症作用、免疫調整作用などがあり、口内炎にもよく効きます。ラクトフェリンを含んだ乳酸菌のサプリメントであるデンタルバイオなどについては、当院ブログ記事の【口内炎や歯肉炎に効く猫におすすめのサプリメント】にて解説していますのでご覧ください。

また最新のサプリメント情報については【最新論文 】ネコの歯周病治療に効果的なサプリメント成分を発見  をご覧ください。

 

外科的な治療としては

抜歯が猫の口内炎において最も効果的な治療法です。

抜歯には2種類あり、

 

・全臼歯抜歯

・全顎抜歯

 

といいます。

全臼歯抜歯は、臼歯のみを抜歯する事で、全顎抜歯は歯を全て抜く事をいいます。

全臼歯抜歯では口内炎の治癒率は60%、全顎抜歯では90%と報告されています。

 

 

口内炎の食事

口内炎が重度の猫では、採食困難となるので栄養不良になり、どんどん痩せていきます。

その結果免疫力が更に低下してしまい、状態が悪化していきます。

それを防ぐためには、嗜好性が高く、温かくて、柔らかい水分を多く含んだウェットフードを給餌してあげた方が良いでしょう。