予防注射(ワクチン)

ワクチンって・・・?

ワンちゃんやネコちゃんの健康を守るために…

まずお考えいただきたいことが 『混合ワクチン』 の接種です。

ワクチン接種は、感染力が強く恐ろしい病気から、ワンちゃんやネコちゃんを守るために行うものです。 そして、そういった恐ろしい病気は治療が難しく、予防がとても大切になってきます。

ワクチンと一言でいってもその種類は様々です。 6種ワクチン? 8種ワクチン? どっちがいい? 何回打てばいい?など、年齢や状態によっても必要なワクチンは変わってきますし、居住地によっても必要なワクチンは変わってきます。

当院で行われている一般的なワクチンのスケジュールは以下のようになります。

予防注射(ワクチン)スケジュール

犬の場合
生後 1ヶ月 1回目
生後 2ヶ月 2回目
生後 3ヶ月 3回目
その後は 1年ごとにワクチンを接種します。

3度目(2になっていたがどうか)のワクチンを打った 2週間後から、外に散歩に連れて行くことができます。 ワンちゃんにとって、3か月目までの期間は 『社会化期』 といい、その時期に他の犬や他の動物、人間などと接触することでそれらを受け入れやすく友好的になる、と言われています。
そのため、『社会化期』 が終わる前に散歩ができることで、人間や他の犬などと友好的な関係を築くことができる可能性ができます。

猫の場合
生後 2ヶ月で 3種ワクチン
生後 3ヶ月で 3種ワクチン
その後は、1年ごとに 3種ワクチンを接種します。

ただし、ワクチンを打つ時期や状態によっては、この限りではありませんので、獣医師とよくご相談の上お決めください。

当院でご用意しているワクチンは、
犬 → 2種・5種・6種・7種・8種混合ワクチン と、
猫 → 3種混合ワクチンです。

ワクチンって安全なの?

ワクチンによって多少の違いがありますが、ワクチンによってアレルギーのような副作用が出る可能性は0.01%程度と非常に低い確率です。ただし副作用はゼロではないので、ご家族もアレルギーについて正しく理解しておくことが重要です。

ワクチンによるアレルギーは大きく2つの症状に分かれます。
1つは命の危険性もある アナフィラキシーショック、もう1つは顔がはれてしまうアレルギー症状です。
アナフィラキシーショックはワクチンを打った直後に起こる症状です。 呼吸や心臓が急に止まってしまったり、意識を失って倒れてしまったりします。 これは非常に低い確率で起こるものですが、事前に把握することができません。 当院では、このアナフィラキシーショックをできるだけ見逃さないように、接種後は待合室で休憩していただき、15分程で獣医師が体調を確認することで最大限の配慮を行っています。

お顔がはれてしまう症状のアレルギーは、直後から2時間ほどで出てくる症状です。嘔吐や発熱がみられることもあります。ダックスフントに圧倒的に多い症状で、6種ワクチンよりも 8種ワクチンで多く起こることがわかっています。 命の危険に結びつくことは少ないですが、時に非常に深刻な状態になることもあります。 ワクチン接種後1日は安静にし、ご家族の方が様子を見てあげてください。

ワクチンアレルギーへの対処

上記のようなワクチンアレルギーが出てしまった!これってワクチンアレルギーなのかな?と疑問に思われたらすぐに当院にご連絡ください。場合によっては、点滴や注射、入院が必要になります。このような処置をするために、ワクチンの接種はなるべく午前中でお願いしております。

また、ワクチンを接種した後にアレルギーが出てしまい、もう打つことができない。 でもワクチンを打っていないことにより伝染病にかかってしまうのだろうか? という不安をお持ちのご家族の方、当院にご相談ください。
状況に応じて最も適切なアドバイスを差し上げます。

予防接種(ワクチン)で予防できる病気

( )内の数字は、何種のワクチンで予防できるかを示しています。

犬の場合
犬パルボウィルス感染症 (2種以上)

激しい下痢や嘔吐をおこし、食欲がなくなり、急激に衰弱します。感染犬のうんちに潜むウイルスは伝染力が強く、死亡率の非常に高い恐ろしい病気です。

犬ジステンパー (2種以上)

発熱、下痢、鼻炎、結膜炎、嘔吐や下痢を起こし、神経のマヒが起こることもあります。死亡率が高く、犬パルボウィルスと並んで非常に怖い伝染病です。

犬伝染性肝炎 (5種以上)

腹痛、下痢、嘔吐、食欲不振などがみられ、目が白く濁ることもあります。生後1年未満の子犬が感染すると、全く症状を示さずに突然死することがあります。

犬伝染性喉頭気管炎 (5種以上)

発熱、食欲不振、くしゃみ、鼻水、短く乾いた咳がみられ、肺炎を起こすこともあります。他のウイルスや細菌と混合感染することにより、症状が重くなります。

犬パラインフルエンザウイルス感染症 (5種以上)

喉や鼻水などのカゼ症状を示します。 混合感染や二次感染を起こすことで症状が重くなります。伝染力の非常に強い病気です。

犬コロナウイルス感染症(6種以上)

成犬だと軽度の胃腸炎、子犬の場合は重度の水下痢や嘔吐を引き起こします。犬パルボウイルスとの混合感染で重症化することがあります。

犬レプトスピラ感染症 (8種以上)

レプトスピラという細菌が原因の伝染病で、腎臓や肝臓が侵され、腎炎や尿毒症、黄疸などの症状が起き、人にも感染する危険性がある病気です。 そして、レプトスピラは西日本に主に生息しているため、そちらに犬を連れて行かれる場合には、必ず打つ必要があります。またこの病気は感染動物の尿を介して感染するため、西日本でなくても水辺やキャンプ場、牧場等に行く予定がある場合も事前に打つ必要があります。

猫の場合

猫ウイルス性鼻気管炎 (3種)

猫ヘルペスウイルスによる感染症で、発生率が高く、激しいくしゃみ、咳、鼻炎、発熱などの風邪のような症状のほか、角膜炎や結膜炎を引き起こします。子猫では症状が激しく、非常に死亡率の高い病気です。

猫カリシウイルス感染症 (3種)

猫カリシウイルスによる感染症で、はじめはくしゃみ、鼻水、発熱など風邪にいた症状が見られますが、症状が進むと舌・口の周囲の水疱、潰瘍が見られます。

猫汎白血球減少症 (3種)

猫ポルボウイルスによる感染症です。 血液中の白血球(免疫の細胞)が極端に少なくなる伝染病で、元気消失、食欲不振、高熱、嘔吐、下痢による脱水といった症状が見られます。経過が早く、特に子猫では死亡率が非常に高い病気です。

予防注射 (狂犬病)

狂犬病は、未だに世界中に毎年 約50,000人もの死者を出している非常に怖い病気です。 現在の日本にはない病気ですが、日本のように狂犬病がない国は全世界でもかなり少数で、イギリス、オーストラリアなどの一部の国のみです。

狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した犬に咬まれて発病することが多いため、“犬”という文字が使われていますが、実際には犬だけでなく、人を含めたすべての哺乳類に感染するきわめて危険な感染症です。

現在は海外からたくさんの動物が輸入されていますし、数年前、フィリピンへの観光客が現地で感染し、帰国後発症したことからも、狂犬病発生地域からの人やペットの往来が活発な今、いつ狂犬病が日本で発生してもおかしくないという状況です。

このような状況のため、狂犬病ワクチンを1年に1度ワンちゃんに接種することが 『狂犬病予防法』 という法律で国に義務付けられているのです。

狂犬病予防接種スケジュールと費用

狂犬病予防法では毎年3月2日から6月30日までの期間内に狂犬病ワクチンの接種を行なうことが定められています。

狂犬病予防注射をしたことがない、または 接種済みだが市への登録を一度もしたことがない場合 (新規登録)子犬の時に打たなければならない 3回目のワクチンを終えて約 1ヶ月経った頃が、接種にちょうど良い時期です。

初めての狂犬病予防注射を接種した後は、市への登録をしなければなりません。 登録が完了すると、鑑札(楕円形のプレート)・犬がいますシール・注射済票(長方形のプレート)が横浜市から発行されます。この手続きは、当動物病院で代行させていただくこともできますので、お気軽にご依頼ください。ただし時期により約2ヶ月のお時間を頂きますことをご了承ください。

費用は、初診料・再診料のほかに以下の通りです。(全て税別)
狂犬病予防接種 3,000円
横浜市への登録料(鑑札の発行)として 3,000円
当動物病院で手続きを代行する場合のみお預かりします。
横浜市への注射済票交付手数料として 550円

狂犬病予防注射をしたことがあり、
既に鑑札がお手元にある場合 (更新)

毎年春になると、市から狂犬病接種を呼びかけるハガキがご自宅に届くはずです。
そのハガキと、前の年のプレートが入れてあった緑色の小さい封筒をお持ちください。

狂犬病予防注射を接種した後は、市への更新手続きをしなければなりません。 手続きが完了すると、今年度の注射済票(長方形のプレート)が横浜市から発行されます。
この手続きは、当動物病院で代行させていただくこともできますので、お気軽にご依頼ください。 ただし時期により約2ヶ月のお時間を頂きますことをご了承ください。
また、発行された鑑札と注射済票はワンちゃんに装着することが定められています。

 

フィラリア予防

フィラリア予防とは?

100%予防ができるけれど、なってしまうと非常に怖い病気、それが フィラリア症 です。

蚊が吸血することで、蚊の体内にいるフィラリアという寄生虫の幼虫(ミクロフィラリア)が動物の体内に入り、幼虫は約2カ月かけて成長しながら移動し、最終的には成虫となって心臓にたどり着きます。

血管や心臓に寄生することで血液の流れが妨げられ、様々な障害が発生し、放置すると死に至る場合もあります。

フィラリア予防の流れは、横浜近辺であれば以下のようになります。

3月~4月にフィラリアの検査をして、感染していないことを確認する。
蚊がいる 4月~12月は、月に一度フィラリア症に予防薬を使う。

フィラリア症の予防薬には様々なタイプがあり、当動物病院では皮膚に垂らすスポット剤、お肉のような味と形の薬、ビーフフレーバーの錠剤、通常の錠剤など様々なタイプがありますので、その子の好みや状態に合わせてお使いいただけます。

フィラリア予防薬の様々なタイプ

フィラリアだけを予防するタイプ インターセプターSチュアブル (全体重対応、錠剤タイプ)
ミルベマイシン (10kgまで、錠剤タイプ)
カルドメックチュアブル (全体重対応、ジャーキータイプ)
モキシハートタブKS (68kgまで、ジャーキータイプ)
モキシハートタブKS (15kgまで、ジャーキータイプ)
フィラリア、ノミ 合剤タイプ パノラミス (2.3~ 18kg、錠剤タイプ)
ネクスガードスペクトラ (1.8kg~、ジャーキータイプ)
アドバンテージハート (全体重対応、スポットタイプ)
アドボケート (全体重対応、スポットタイプ)
レボリューション (全体重対応、スポットタイプ)

フィラリア予防のよくあるご質問にお答えします

蚊に刺されないようにすれば大丈夫なのでは?
蚊が吸血する時にフィラリアの幼虫の感染がおこります。
よって、蚊が吸血しない限りフィラリアはうつりません。
しかし、日本では蚊があらゆる所に生息しているため、蚊に刺されないようにするのは現実的には不可能です。 そこで感染を防ぐには、月に一度予防薬を使うことが最善策と言えます。
予防薬を飲むとどうして予防できるのですか?
フィラリア症の予防薬は、蚊に刺されるのを防ぐためのものではなく、“蚊に刺されたときに体内に侵入したフィラリアの幼虫を月に1度駆除するため” に使われます。
ですので、効力的にはフィラリア幼虫の “駆虫薬” となりますが、フィラリアの幼虫は2カ月かけて成長して心臓に寄生するため、「幼虫が血管に入り、心臓に到達するのを防ぐ」 という意味で、“予防薬” という言い方をします。
体内に侵入したフィラリア幼虫は、いきなり血管には入らず、まずは皮膚の内側で生活し、約2カ月かけて血液に入れるようになるまで成長します。 一度血液に入ってしまうと、予防薬の効果は期待できません。 そのため、月に一度、確実に幼虫を駆除しなければなりません。
毎年、予防薬を飲む前に検査するのはなぜですか?
万が一フィラリア症に感染している場合、知らずに予防薬を投与すると、皮膚の内側で成長して血管に入ったフィラリアの幼虫が一気に死んでしまいます。 そしてそれが動物の心臓や肺の血管に詰まり、ショック症状を起こして、ひどい時には死に至る場合もあります。
そのため、前年に予防薬を飲ませていたとしても、万が一にも感染をしていないことを確認するために、年に一度、予防薬を飲む前に検査をする必要があるのです。
猫のフィラリア症ってどんな病気なんですか?

従来は犬の病気だと考えられてきましたが、猫でも発生があり、猫の突然死や呼吸器の症状の原因になっていることが分かってきました。 そして猫の場合、発症と共に呼吸困難など激しい症状を引き起こし、急速に衰弱していくケースがほとんどです。
犬に比べて発生率は低いですが、犬のフィラリア症より診断や治療が難しく、現在のところ唯一できる対策は、毎月フィラリア予防薬を使うことです。

ネコのフィラリア

フィラリアってワンちゃんの病気でしょ?うちの子には関係ない・・・なんて思っていませんか?

実はネコちゃんにもフィラリアは感染するんです。研究によると10%程度のネコちゃんがフィラリアに感染しているといわれています。感染経路はワンちゃんと同じく蚊の媒介ですが、症状は違います。

ワンちゃんのフィラリアは成虫が心臓に寄生しますが、ネコちゃんのフィラリアは成虫までなかなか成長せず、幼虫が肺のあたりで留まって症状を引き起こします。主な症状は、咳や呼吸困難、嘔吐などです。まれに突然死につながることもあります。

検査には少量の血液が必要です

  1. フィラリア抗原検査→成虫寄生の検出
  2. フィラリア抗体検査→幼虫感染の検出
  3. いずれか陽性時に、X線(肺動脈、肺野の変化検出)およびエコー(虫体の検出)による検査をします

結果の評価、治療

抗原+(1-5%) 成虫寄生、幼虫感染が疑われます。背中につけるレボリューションを通年投与して成虫の寿命短縮、幼虫の駆除をします。症状があればステロイド、気管支拡張剤などで呼吸器の症状を抑えます。
抗原-抗体+(16%) 幼虫感染歴あり、成虫寄生の可能性があります。この場合もレボリューション通年投与が選択され、症状あれば対症療法を行います。
抗原-抗体- (83%) 成虫寄生、幼虫感染ともにない可能性が高いです。予防のため5-12月にレボリューション投与をお勧めします。

ノミダニ予防

ノミダニ予防とは?

ワンちゃんやネコちゃんの毛の間に黒っぽい小さな粒を見つけた。

お気を付け下さい。
それは動物の体に寄生しているノミの糞かもしれません。

そして意外と知られていないのですが、ノミやダニの害は “痒み” だけではありません。痒み以外にも、ノミやダニによってたくさんの病気が媒介されます。 媒介される病気を予防するためにも、月に1度、ノミやダニの予防をしましょう。

当院では、皮膚につけるタイプや、飲ませるタイプなど、様々なタイプのノミダニ予防薬を扱っております。 その子の状態によってもどのような予防薬が合っているかは変わってきますので、獣医師にご相談ください。

ノミによって起こる病気

ノミアレルギー性皮膚炎 吸血により、その唾液成分が体内に入ることで、アレルギー反応がおこり、激しい痒みや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎を示すようになります。寝ることもできないくらい痒がってしまう子もいます。
サナダムシ(瓜実条虫) ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べ、その体内で発育します。 成虫になったノミを犬や猫がグルーミングなどで食べてしまうことにより、小腸に寄生し、下痢や嘔吐の原因になります。
猫ひっかき病 バルトネラという菌によっておこる病気で、感染猫からほかの猫にノミが媒介します。猫には症状は出ませんが、感染した猫に人間が引っかかれたり、噛まれたりすると、リンパ節がはれて、数か月続く発熱や頭痛を起こすことがあります。

ダニによって起こる病気

犬バベシア症 バベシア原虫が赤血球に寄生、破壊することにより、貧血、発熱、食欲不振や黄疸などがみられ、死に至ることもある恐ろしい病気です。
猫ヘモバルトネラ症 猫の赤血球表面に寄生するヘモバルトネラというリケッチアが原因となり、貧血、発熱、元気消失などの症状が見られます。
ライム病 マダニからペットや人にも感染し、犬では主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状が、人では皮膚症状や神経症状、関節炎などの症状が見られます。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) マダニを介してウイルスが人に感染しする可能性が示唆されています。6日~2週間の潜伏期間を経て、発熱、倦怠感、消化器症状、出血などの症状がみられます。致死率10~30%と非常に怖い病気です。

ノミダニ予防薬の様々なタイプ

フロントラインプラス (全体重対応、スポットタイプ)
プラクティック (2㎏~、スポットタイプ)

コンフォティス (2.3kg~、錠剤タイプ)

ネクスガード (1.8kg~、ジャーキータイプ)