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【ケンネルコフ】子犬が咳・くしゃみを繰り返す!原因/初期症状/治療法を獣医師が解説2019年09月28日

【ケンネルコフ】子犬が咳・くしゃみを繰り返す! 原因/初期症状/治療法を獣医師が解説

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(最終更新日2019/11/3)

「子犬をお家に迎え入れた後、鼻水・咳・くしゃみをよくする」ということはありませんか?

 

もしかすると、その子は伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)を発症しているかもしれません…

 

ケンネルコフであった場合、肺炎を引き起こすこともありますので、なるべく早めに病院へ行かれることを推奨します。

 

今回は子犬の咳の原因として非常に多い犬伝染性気管気管支炎(ケンネルコフ)についてまとめました!

 

 

ケンネルコフの初期症状と末期症状

 

ケンネルコフの症状は

・繰り返す咳

・膿のような鼻汁や目脂がでる

・高熱

・呼吸困難

・食欲低下

・肺炎

があります。

 

ケンネルコフは、初期症状がでるのに3日から7日程度の潜伏期間があります。

潜伏期間が終わるとケンネルコフが発症し、初期症状が出現します。

初期症状としては、くしゃみや咳を1日2、3回するレベルですが、重症化し末期症状になると、1日何十回も咳をし、高熱が出て、肺炎となり、食欲がなくなり、ぐったりしてしまうことがあります。

 

子犬がケンネルコフに感染する原因

 

しっかりとした免疫力のある成犬では感染しないようなウイルス・細菌が、免疫力の未熟な子犬(生後6週間から6ヶ月)に感染してしまうためです。

感染経路は、ケンネルコフに感染している犬の鼻水・くしゃみ・咳を直接浴びてしまうことで、容易に感染してしまいます。

この感染経路を飛沫感染といいます。

ですので、ペットショップやブリーダーさんなどの多頭飼育が行われている環境では、ケンネルコフの感染率が非常に高くなってしまいます。

ケンネルコフに感染する原因としては、新しいお家への環境の変化によるストレス・移動のストレス・寒暖差によるストレスにより子犬の免疫力がより下がってしまい、ウイルスや細菌に感染することもあります。

しかしながら、1番多いケースは既出ですが、ペットショップやブリーダーさんの所で、すでにケンネルコフの原因となる細菌やウイルスに子犬が感染していて(ケンネルコフに感染している犬によって)、お家に来た段階、あるいはペットショップやブリーダーさんの元で既に発症してしまっていることなのです。

 

ケンネルコフを引き起こす主な原因となるウイルス・細菌としては

①イヌパラインフルエンザウイルス

②イヌアデノウイルスⅡ型

③ボルデテラ菌

などがいます。

上記の細菌やウイルスが混合感染してしまうことで、ケンネルコフは重症化することがあります。

 

ケンネルコフの治療法

 

細菌が原因の場合は抗生剤が効きますので、抗生剤を主に使用していきます。

ウイルスが原因となる場合は効く薬がありませんので、対症療法になってしまいます。

対症療法としては、

 

①抗生剤(クラバモックスなど)

②ネブライザー

③抗炎症薬(NSAIDSなど)

④気管支拡張薬

⑤咳止め薬(ベトルファールやコデインなど)

 

を用います。

細菌が感染しているのか、ウイルスが感染しているのかを検査することは、かなり困難ですので、上記に記載したウイルスの対症療法を行ないます。そして1週間程度は室内で安静にしておくことも重要です。

あとは部屋を頻繁に換気したり・お掃除したり、気道を潤すために加湿器を使用することが望ましいですね。

また、無事ケンネルコフの症状が良くなったとしても、1~2週間はウィルスを排泄していますので、他の犬への感染を防ぐためにむやみに接触させるのはやめた方がよいです。

 

次に実際の症例を交えてご説明したいと思います。

 

 

【実際の症例】

 

先日当院に生後3ヶ月のM.ダックスフンドのマロンちゃんが来院されました。

何度も咳をするということで来院されましたが、元気・食欲はあり、嘔吐・下痢などもありませんでした。

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✔こちらはマロンちゃんの胸部レントゲン画像です。

 

レントゲンでは肺炎の所見はなかったものの、一方で気管壁が白くなっており、気管に炎症が起こっている(気管炎)可能性が示唆されました。このことから初期のケンネルコフが疑われました。

 

また、手で軽く気管に触れただけでも咳が出てしまっており、これは犬伝染性気管気管支炎の特徴的な症状です。

 

✔行った治療法:ネブライザー治療と抗炎症薬、抗菌薬、去痰薬を組み合わせて行った結果、1週間かけて咳が落ち着いていきました。

 

※ケンネルコフは免疫力が定着するまでは治りが悪いことがあり、中には完治するまでに時間がかかることも多く、時には数ヶ月かかってしまうこともあります。

 

子犬が咳をしていたらどうすればよいか?

 

まず1日何回咳がでるのか、どのタイミングで咳がでるのか(朝・夜・散歩後など)を観察してみてください。

 

犬伝染性気管気管支炎は自然治癒する場合もありますが、難治性であった場合は肺炎を起こしてしまうこともありますので、できるだけ早めに動物病院に受診されることをお勧めします。

 

また来院される際には、咳をしているワンちゃんの動画を見せて頂くと、大変参考になります。

 

ケンネルコフは内服だけ処方して様子を見るだけでは、不充分な治療法です

基本的にネブライザー治療を何度か行う必要がありますので、注意が必要です。

 

ケンネルコフを予防するには(ワクチン接種推奨)

ケンネルコフの予防をするには、混合ワクチンをちゃんと打っておきましょう。

ケンネルコフの原因となるウイルスのイヌパラインフルエンザとイヌアデノウイルスⅡ型に関しては、混合ワクチン(5種以上)を打つことで、予防が可能です。

一方、細菌に関してはワクチンでの予防はできませんが、イヌパラインフルエンザとイヌアデノウイルスⅡ型に対する混合ワクチンを打っておくことで、ウイルスと細菌による混合感染を回避できる可能性が高まります。

 

またワクチン接種を行なっていても、ケンネルコフになる可能性はゼロではありませんので、注意が必要です。

 

 

以上がケンネルコフのまとめとなります!

 

関内どうぶつクリニックでは、子犬の様々な病気の治療にに習熟した獣医師とネブライザーなどの必要な機器を備えておりますので、いつでもご相談ください。