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【外耳炎】犬の耳が臭い・赤い・痒がる|もしかして外耳炎かも?|マラセチアとの関係について獣医師が詳しく解説2021年08月11日

【外耳炎】犬の耳が臭い・赤い・痒がる|もしかして外耳炎かも?|マラセチアとの関係について獣医師が詳しく解説

【外耳炎】犬の耳が臭い・赤い・痒がる|もしかして外耳炎かも?|マラセチアとの関係について獣医師が詳しく解説

 

 

あなたの愛犬が耳をかゆそうにしたり、頭を振ったり、耳の中が赤いと言う事はありませんか?


もしかすると外耳炎かもしれません。


外耳炎は夏などの高温多湿な時期に多く発症します、外耳炎を放っておくと鼓膜が破れたり中耳炎などのリスクがあります。


そうなると、耳が聞こえにくくなるなど聴覚障害を引き起こすことがありますので注意が必要です


今回は外耳炎の原因や治療について最新の論文を交えてお話ししたいと思います 。

 

外耳炎とは?

 外耳炎は外耳道で発生する耳の炎症で、犬の皮膚病で非常に多く発生する疾患です。

外耳炎は急性外耳炎慢性外耳炎(3ヶ月以上外耳炎を繰り返す)に分けることができますが、慢性外耳炎は完治が困難です。

というのも、慢性外耳炎は耳の構造を変化させてしまうのです。具体的には、腺過形成・腺拡張・上皮過形成・角質増生などの耳道内の変化を引き起こします。

これらの変化により、耳垢の産生を増加させ、外耳の湿度やpHの上昇を引き起こし、その結果、耳が細菌や真菌による2次感染を起こしやすくなります。

つまり、慢性外耳炎になる前の急性外耳炎の段階で、しっかりと完治させることが重要なのです。

 

外耳炎の原因

主因

主因は外耳道に直接影響を与え、外耳炎を引き起こす可能性のある疾患のことです。

外耳炎の治療において、主因となる疾患の治療が非常に重要です。

食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患

・耳ダニなどの外部寄生虫

・異物

などが挙げられます。犬の外耳炎を引き起こす主因としては、アレルギー疾患が最も多いとされています。

 

副因

マラセチア

マラセチアの画像

それだけでは外耳炎を引き起こさないが、発症に大きく関与しているものです。

耳道に存在する

・細菌

・マラセチア

の増殖などが副因に該当します。

 

素因

外耳炎を発生しやすくしている環境的・身体的な要因のことです。

・高温多湿の環境

・水遊びやシャンプー時の水分の浸入などの環境的要因

・耳道内の腫瘍

・プードルやシー・ズーなどの耳道内に被毛が多い犬種

・コッカー・スパニエルなどの垂れ耳の犬種

・フレンチ・ブルドッグなどの短頭種の狭い耳道

が素因に該当します。

 

外耳炎と細菌・マラセチアの関係について

外耳炎を発症した犬の耳から最も頻繁に分離される細菌はStaphylococcus です。

その他にも、

・Pseudomonas(シュードモナス)

・Proteus(プロテウス)

・Enterococcus(エンテロコッカス)

・Streptococcus(ストレプトコッカス)

・Corynebacterium(コリネバクテリウム)

などが外耳炎に関連する細菌です。

StaphylococcusやPseudomonasなどの細菌は、バイオフィルムという膜を形成することがあり、適切な治療を行っても感染が持続する事があります。

 

マラセチアも細菌と同様、犬の外耳炎に大きく関わっています。

マラセチアが増殖すると、もちろん痒みを引き起こしますが、

一部の犬ではマラセチアに対してアレルギー反応を示し、著しい不快感や掻痒感を引き起こしてしまいます。

 

外耳炎の症状

外耳炎の症状

外耳炎の症状

外耳炎の症状としては、

耳が臭い(くさい)

耳垢の量が増える(黄色や茶褐色など)

耳をかく・痒がる・傷がある

頭を振る

耳の中が腫れている・赤い

・脱毛

・色素沈着

 

重度になると、強い炎症による痛みがあり、耳の付近を触られることを嫌がる、耳道が腫れて耳の穴が塞がる、耳の中から膿が垂れてくるなどの症状もあります。

また、外耳炎を発症している際には、腋・鼠径部・目や口の周りなどにも痒みを伴うことが多いです。

 

外耳炎の治療

洗浄

まずは、耳の洗浄をしっかり行います。というのも、後に投与する点耳薬の効果を充分に得るためです。

洗浄薬には様々な種類がありますが、耳垢の性状などによって適切な洗浄薬を選びます。

耳の洗浄液

耳の洗浄液

重度の感染が疑われる症例にはTris-EDTAと呼ばれる成分を含有する洗浄液を選択します。

鼓膜での障害が疑われる症例は注意が必要で、毒性の低い生理食塩水で洗浄することが重要です。

上記の洗浄を行なっても、汚れを取り除くことができない場合には、全身麻酔下でビデオオトスコープという機材を用いて洗浄を行います。

 

点耳薬

点耳薬には基本的にステロイド・抗菌薬・抗真菌薬が入っています。

ステロイドは、耳の炎症を治癒する作用があり、耳の痒み・赤みを取り除いてくれます。

ローションタイプ・ゲルタイプなどさまざまなタイプがありますが、外耳炎の状態によって獣医師が適切なものを選択します。

ネプトラ_外耳炎治療薬

 

最近では1度耳に入れるだけで、長期間効果が持続するネプトラという点耳薬もあります。

 

 

抗生剤

重度の外耳炎で耳を掻きこわしている場合には、細菌やマラセチアによる感染を伴っている場合があります。

軽度の感染であれば、上記の点耳薬を使用することで完治しますが、重度の感染を伴っている場合には、飲み薬として抗生剤や抗真菌薬を処方することがあります。

 

外耳炎の予防

完全に予防することは難しいですが、耳を清潔に保つために定期的に耳を洗浄液で洗浄すること、そして梅雨から夏にかけての時期は毎日耳の中の状態(耳垢の量や臭いなど)をチェックすることが重要です。

洗浄を行なっても、耳の臭い・赤み・痒みが減らないことがありますので、その際は当院までお気軽にご来院ください。

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