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【ネコ風邪 ヘルペスウイルス感染症】子猫の止まらないくしゃみ・鼻水・目やに、他の猫にもうつるの?2019年11月06日

【ネコ風邪  ヘルペスウイルス感染症】子猫の止まらないくしゃみ・鼻水・目やに、他の猫にもうつるの?

ネコ風邪最終更新日:2019年11月6日)執筆者:沖田良太(獣医師)

 

子猫のくしゃみが止まらなかったり、鼻水や目やにがでることはありませんか?

その子はネコ風邪の可能性が高いです。
そしてネコ風邪は他の猫にも簡単にうつりますので要注意です。

その上、ネコ風邪は重症化すると発熱・食欲不振・肺炎をおこすなど命の危険性があります。

 

ネコ風邪とは、ヘルペスウイルス科に属する猫ヘルペスウイルス1型を原因とするネコの上部呼吸器感染症のことです。
 免疫力の低い子猫で高確率で発症します。
子猫がくしゃみ、目やに、鼻水が止まらないようであれば、ネコ風邪の可能性が非常に高いです。

 

ネコ風邪はヘルペスウイルス感染猫の体液(鼻水や唾液)が、くしゃみなどの空気感染・接触感染により、健常猫の体内へ取り込まれることで感染します。
ヘルペスウイルスは、ほとんどのネコ科動物に感染し、非常に強い感染力を持つウイルスです。

猫の多頭飼育を行っている環境(ペットショップやブリーダーさんなど)では、ヘルペスウイルス感染のリスクを増悪してしまう傾向にあり、周りの猫に簡単に感染してしまいますのでご注意ください。ただし人間や犬に感染することはありません!
 

ネコ風邪の症状

初期症状は、
・鼻水
・止まらない連続するくしゃみ
・結膜炎による目ヤニ
・口内炎
・口臭がつよくなる

です。
重症化すると発熱・食欲不振・肺炎をおこすなど命の危険性があります。
 
感染したヘルペスウイルスはまず上部気道(鼻腔・咽頭・喉頭)に感染し、上部気道炎を引き起こします。
そして細菌による二次感染を起こすなど状態が悪化すると、肺炎を招いてしまいます。

ネコ風邪の治療(抗生剤・インターフェロン)

抗生剤やインターフェロンを使った対症療法となります。
 
軽度であれば・・・
結膜炎や鼻炎があった場合は、インターフェロンを混ぜた抗生剤入りの目薬を点眼・点鼻します。

重度であれば・・・
二次感染予防のため抗生剤の全身投与を行います。
また発熱や食欲不振があると、脱水が起こっている場合がありますので皮下点滴を行うことがあります。
 

猫ヘルペスウイルスを完治させることはできるのか?

ヘルペスウイルス感染症は、人間のエイズと同様に完治させることはできません。
しかしヘルペスウイルスが発症するのは、宿主(猫)の免疫力低下が原因といわれていますので、症状が発症しないように、栄誉バランスの整った食事や新鮮な水分を摂取し、猫の免疫力を上げていく必要があります。

ネコ風邪の予防

猫ヘルペス感染症・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症の3種混合ワクチンを子猫の時に3回接種し、しっかり予防していきましょう。
また多頭飼いで、ネコ風邪を発症している猫がいる場合、他の猫たちとは隔離しましょう。
そしてなるべく部屋を清潔に保ち、換気や消毒をすることも重要です。